サファリの手帖 |
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チンパンジー 和名: ショウジョウ (クロショウジョウとも) 学名: Pan Troglodytes <穴居する半獣神(パーン)の意> 霊長目ショウジョウ科チンパンジー属 3亜種がある *コンゴのピグミーチンパンジー(ボノボ)はオランウータン科の別種。 <写真はタンザニアの“ケナガチンパンジー”> 私たち人類と98%以上(※,※※&※※※↓)の遺伝子を共有しているというチンパンジー。 大陸西部から中央部の熱帯多雨林、乾燥疎開林に広く分布するが、正確な生息数は把握されていない。 普通、20頭から100頭位の群れで社会生活を営む。 群れは「アルファ・メール」と呼ばれるオスを筆頭に2位オス、3位オス……と、明確な階層社会を形成している。 自然環境で彼らを観察していると日常の挨拶行動や採食行動の優劣などに順位が読み取れて興味深い。 東アフリカではウガンダとタンザニアに分布するが、一般客として観察に出向くなら、タンザニアの「マハレ山塊国立公園」をおいてほかにない。 ここのMグループと呼ばれる集団は1965年来、京都大学の西田利貞教授を中心とする研究者たちによって継続観察されており、50頭ほどの個体すべてに名まえが付けられ個体識別されている。 日本の動物番組でもおなじみの集団だ。 ケニアの「スウィートウォーターズ・キャンプ」では密猟被害にあった孤児や個体を自然生息環境に近いかたちで飼育する試みがなされている。 チンパンジーの研究者・環境保護活動家として名高い英人学者・ジェーン・グドール女史の幅広い活動の一環である。 ※新聞報道によると、人とチンパンジーのDNAの違いは<1.23%>という、理化学研究所他の精査結果が出た。これは、2002年1月4日付け米科学誌「サイエンス」に掲載されている。http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/295/5552/131 同じ記事によれば、細胞核内の染色体数は人23対に対してチンパンジーは24対と異なるものの、遺伝情報全体を表すゲノムの構成は双方とも30億対の塩基配列とほぼ等しい。 限りなく人に近いサル――それが、チンパンジーだ。 ※※ 2004年5月27日付け新聞報道によると、人とチンパンジーのDNAの違いは5%内外という、理化学研究所他の新たな発表があった。これは、ヒト・ゲノム計画の終了を受け、遺伝子の更なる精査が可能になった結果だろう。新たな知見を心待ちにしたい。 ※※※ 人とチンパンジー、違いは8番染色体…慶大が解析 慶応大学など日米欧の研究チームは、人間の8番染色体の遺伝情報(DNA配列)を分析し、性染色体を除く22対の染色体の中で最もチンパンジーとの違いが大きいことを突き止め、19日発表した。 8番染色体には、脳の大きさに関係していると見られる遺伝子が多数あることも確認、人間の進化を探る重要な手がかりになりそうだ。 8番染色体は、人間の全遺伝情報の5%を担い、現時点では、739個の遺伝子が見つかっている。 慶応大によると、8番染色体はチンパンジーと比べて変異が多く、変異の割合が全染色体平均の約2倍に達する領域もあった。 変異が大きい領域には、外敵などが侵入した際に最初に働く自然免疫や、脳が小さくなる「小脳症」の原因となる遺伝子など神経系の遺伝子が多数存在していることもわかった。 研究チームの清水信義・慶応大学医学部教授(分子生物学)は「8番染色体を調べることで、脳や免疫機構の発達などヒトの進化のなぞに迫ることができるかもしれない」と話している。 (2006年1月19日14時55分 読売新聞) |